オフィスの地震・水害・停電への備え【防災特集】

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9月1日は防災の日。毎年、防災訓練をする企業様も多いのではないでしょうか。毎年、8月30日から9月5日までの期間が防災週間として啓発期間となっています。

災害についての心構えを整え、備えを強化する、年に一度のよい機会。

入居中・移転検討中のオフィスビルがどのようなリスクの下にあり、どのようなリスクに対応するのか、BCPの一環として現状確認してみてはいかがでしょうか。

1.地震リスクへ備える。入居中のオフィスビルの地域危険度は?

近年懸念されている首都直下型の大地震。今いる場所がどの程度安全か、東京都では、都の震災対策条例に基づき、昭和50年(1975年)から5年毎に「地域危険度」を調査・公表しています。最新の2018年調査では、都内の市街化区域の「町丁目」レベルで、地震に関する ①建物倒壊危険度 ②火災危険度に加えた、③災害時活動困難度を加味した「総合危険度」が公表されました。次回の調査は2023年となります。

入居中のオフィスビルが立地する町丁目名(例:新宿3丁目)を都整備局HPでチェックしてみましょう。

地震に関する地域危険度測定調査 地域危険度一覧表(区市町別)(東京都都市整備局)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/chousa_6/table.htm

※ランクは5段階評価で、1(危険性が低い)から5(危険性が高い)の相対評価となっています。

2.入居中のオフィスビルは、どの種類の地盤の上に属するのか?

下記は、地盤の揺れやすさを示す「地盤分類図」です。山地・丘陵・台地・谷底低地などの地盤の種類によって色分けされており、増幅率の数値が大きいほど地盤が揺れやすいことを示します。青く塗られた部分が広がる山手エリアは、武蔵野台地と呼ばれる関東ローム層でできた台地です。


<参考・画像元>
あなたのまちの地域危険度 2018年 地震に関する地域危険度測定調査[第8回](東京都都市整備局)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/chousa_6/download/kikendo.pdf
地域危険度一覧表の見方(東京都都市整備局)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/chousa_6/download/mikata.pdf

当オフィスのある新宿2丁目は総合危険度「1」、地盤分類は「台地2」でした。ただし「高いから安全」「低いから危険」と言うことはできないようです。

<参考>
武蔵野台地は東京低地より地震に弱い?! 産総研・3次元地質地盤図がひっくり返す地盤の常識(LIFULL HOME'S PRESS)
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_01210/


3.入居中のオフィスビルの水害リスクは?水害ハザードマップを確認。

近年の幾度とない豪雨災害。水害リスク情報は不動産取引上重要となり、その流れで、ビルの賃貸借や売買などの契約時に水害リスク情報の説明が義務付けられるようになりました。

重要事項説明の際に、対象の宅地・建物がハザードマップ上にある場合は(浸水想定区域の外にある場合でも)、必ず位置を示す必要があります[2020(令和2)年8月28日施行]。

<参考>
不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化
~宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令の公布等について~(2020年7月17日|国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html

東京都では各区市町単位で洪水ハザードマップを作成しています。
入居中のビルがハザードマップ上でどの位置にあるか、確認してみましょう。

<参考>
洪水ハザードマップ(2020年12月現在|東京都建設局)
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/river/chusho_seibi/index/menu03.html
宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)に関するQ&A
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001354700.pdf

4.入居中のオフィスビルは新耐震基準か?耐震構造は?

1981年に改正された建築基準法により、建築物は震度5強程度の中規模地震へ耐えるよう定められました。ビルの建築確認の通知書の発行日が、1981年(昭和56年)6月1日以降であれば新耐震基準、1981年(昭和56年)5月31日以前であれば旧耐震基準のビルという事になります(耐震診断・耐震化工事などを行っていない限り)。

近年は、免震構造や制震構造など、地震の揺れを軽減する仕組みを採用したビルも増えており、特にグレードの高いビルで普及しつつあります。

地震はもとより強風でビルが揺れるなどが不安材料になっていませんか? 安心・安全に働ける環境をめざしましょう。

5.非常時の電源系統は?電気は使えるの?

大規模停電などが起きた際、オフィスビルはどうなるのでしょうか。
エレベーターが止まった、トイレが流せない、電気がつかない。サーバーが使えない・・・など。
電気が使えない事は、ビルを動かす電力や貸室内の電源が使えないなど、業務に多大な影響を及ぼします。

そのような事態を想定し、受電方式を予備線方式などにしたり、非常用の発電機を設置するなどの対策をとるビルも大規模・高グレードビルを中心に増えています。

・ビルの電力供給・受電方式

ビルの電力の受電方式について、一般的なビルは1回線受電方式が主流です。
大規模ビルなどでは、常用回線からの電力供給に支障が出た場合に予備・異系統から受電するなどの受電方式を採用するビルも多く、本線予備線・本線予備線(異変電所2回線)・3回線スポットネットワーク・ループ受電などの受電方式があります。
大幅なコストがかかりますが、そのような方式が採用できるのも大規模ビルならではのスケールメリットと言えます。

・非常用発電設備・テナント用発電機設置スペースの有無

万が一、ビルへの電力供給がストップしてしまった場合も、ビルに非常用発電機などの自家発電設備が設置されていればビルにある程度の電力が供給されます。エレベーターや非常用照明、トイレ水洗、空調、スプリンクラーなどのビル設備の稼働に必要な最低限の電力の他、テナント専有部にもある程度の電力が(例:15VA/m2を48時間など)供給されますが、コンセントから使える電力はわずかとなります。

そのため、業務用に非常用電源を確保したい場合は、テナント専用で非常用発電機を設置するため、ビル設備として「非常用発電機設置スペース」があるビルを選ぶ必要があります。

東日本大震災の際は、地震や津波の直接の被害が無かった地域にも影響を与えました。計画停電(輪番停電)の際、自社内にサーバーを置いている企業は困った所もあったようです。近年クラウド化が進んだとはいえ、通信機器が全く使えない危機的な状態に陥ってしまった時にどうなるでしょうか。

電力供給ストップが業務に多大な影響を及ぼす可能性があれば、設備面で対応したビルを選ぶことが、BCP対策の上で重要なポイントになってきます。

コストのかかる設備のため、これまでは大規模ビル中心という印象でしたが、近年は中規模のグレードの高いオフィスにおいても予備線方式や非常用発電機の設置などをBCP対応の一環として採用するビルも増えています。

参考:ミドルクラスながら、大規模ビル同等のスペックとグレード!中規模ハイグレードオフィス特集

6.給排水設備や防災備蓄品もチェック

上下水道が停止した場合を想定し、受水槽や雨水利用などでトイレ洗浄水を確保するビルや、数日分の飲料水や防災備蓄品をビル側で備えたビルもあります。
いざという時の事をビルにある程度任せられる安心感。通常業務に専念したい企業様にとってメリットがあるものと言えます。

事業継続計画をこれから策定する企業様も、見直しをしたい企業様も、よいビル選びから初めてみてはいかがでしょうか。

参考:オフィスビルのBCP対策特集&近年竣工の大規模ビルの事例

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